2012年度
受領者からのメッセージ
2012年度受領者からのメッセージ
2012年度研究助成金受領者(所属は交付時。敬称略・五十音順)
このたびは貴財団の研究助成金を賜りました事、非常に嬉しくかつ光栄に感じております。 4年に渡る留学から帰国し、全く新しい環境で自分の興味ある分野を追究するにあたり、まず必要なのはセットアップの資金です。 年度途中に着任し、また特に地方大学は財政状況が想像以上に厳しく、途方に暮れている中での知らせでした。 帰国直前に不安ながらも提出させて頂いた新しいプロジェクトを採択して頂いた際の気持ちは、紙面では言い尽くせません。 周囲の方々のご理解の下なんとか2度の出産を乗り越え研究を継続してきました。 しかし、世間一般に言われている「出産、就学前の育児」よりも子供が小学生になった現在の方が、仕事と家庭の両立が困難である状況にしばしば遭遇します。 何度も挫けそうになっておりますが、貴財団からの採択知らせを聞いた気持ちを思い出して、「継続は力なり」で少しでも前に進んでいきたいです。
このたび、平成24年度の研究助成として採択して頂きましたこと、深謝いたしております。 米国留学から、研究分野を少し変えて帰国したばかりでしたので、貴財団の「独創性が高い萌芽的研究提案」、 「留学から戻ったばかりの研究者」、「女性研究者」の支援という明言を励みに、応募させて頂きました。 これまでにも多くの若手研究者の方々が研究助成を受賞されており、貴財団のHPに掲載されているコメントを拝読しては、自らも奮励していた次第です。 多くの研究課題の中から、審査員の目に留めて頂けたことを誇りとし、更なる研究の発展に力を尽くし、日本での研究基盤を築く足掛かりとさせて頂きたいと思います。
私は東日本大震災直後の2011年4月、留学先からまだ新幹線も再開していなかった仙台に戻りました。 混乱と山積みする課題の中で、留学を機に海外の若手研究者と立ち上げた国際共同研究、機能性疼痛性障害のニューロイメージングをなんとか遂行したいと奮闘しておりました。 そのような中、本研究を評価いただき、伝統ある貴財団の研究助成を頂きましたことは誠に光栄であり、心より感謝しております。 柔軟的な使用が可能な本助成金は、研究活動に大きなサポートであり、なによりも助成のおかげで自分のやりたい研究を進められることが大きな喜びです。 留学後、女性、臨床研究というキーワードが合致したのかもしれませんが、評価を励みとし研究の発展に全力を尽くす所存です。
この度、研究助成金に採択され大変光栄に存じます。昨年鹿児島大学に赴任したばかりで、新たなプロジェクトをスタートするに当たり、研究費の捻出はひとつの課題でした。 地方大学では、大学からの研究費の配分も限られていることから、貴財団からの助成を受けられたことは非常に有難く、また身の引き締まる思いです。 現在私は生体での核小体ストレス応答の役割解明をテーマに研究をすすめていますが、本助成を受けるにふさわしい業績を残せるよう、日々邁進していく所存です。
この度、貴財団の研究助成金に採択いただき、感謝申し上げます。 私は卵巣にかかわる基礎研究で得られた成果を、早発閉経患者の不妊治療で実践すべく、前任地より早発閉経患者が全国から多数集まっている当大学に1年前に赴任致しました。 更なる研究を進めるにあたり、本助成金の受賞は研究室の立ち上げ、整備に非常に有り難く、 国立大学から私立大学へ異動し、新天地でうまくやっていけるかどうか不安だった自分に大変励みになりました。 今後は、貴重なこの助成金を活用して研究を続けて臨床成績を上げ、少しでも多くのカップルに子供が授かるよう努力していきたいと思います。
このたびは貴財団の研究助成を頂きましたことを大変うれしく思っております。 当研究助成は、独創性、先駆性のある萌芽研究にチャレンジしたいと考えている研究者にとりましては非常に魅力的で有難いものです。 私自身も、留学後は研究テーマにおいても、そして研究資金においても自立していかなくてはと強く思っておりましたので、 当財団の助成金採択はその第一歩を踏み出すための自信に繋がりました。 これからも自分を信じ、研究だけでなく、人生においても独創性を持ち続けられるよう、精進して参りたいと思います。
このたびは貴財団の平成24年度助成金に採択いただきまして、深く感謝申し上げます。 昨年度に研究室を立ち上げたばかりのため、非常に勇気を頂き、天からの恵みとなりました。 本助成研究のテーマは、動物の温度に対する適応や馴化のメカニズムを線虫をつかい解析するものです。 昨年度に現象の発見から始めたゼロからのテーマでしたので、まさか採択されるとは思っておりませんでしたので、背中を押して頂いたと同時に、 期待に応えられるよう結果を出すために精進したいと思っております。 これからも、本助成を受けられる多くの研究者の皆様のご活躍と貴財団のさらなる御発展をお祈り申し上げます。
日常診療の中、日本の医療を存続させる為には患者自身が医療を学び、適正に利用すること以外に方法は無いのではないかと感じてきました。 その為には医学的知識の義務教育化が望ましいと思われ、それを裏付けるエビデンスの蓄積が必須であると考えています。 京都大学SPH で学び、現在も籍を置き、臨床医としての勤務を継続しながら研究に取り組んでいます。 社会的な介入には様々な障壁があり、私の様な若輩者では特にそれが大きいように思います。 そんな中、競争の厳しい貴財団に研究計画を認めて頂いたことは金銭的な補助を得たこと以上に大きな力になると感じております。 今後も初心を忘れずに研究を継続、推進させるよう努力して参ります。
私は、縁ありまして、2011年9月より、京都府立医科大学大学院医学研究科医薬品化学講座を主宰させて頂いております。 当初、意気揚々と新しい研究室の立ち上げにとりかかったのですが、そこには厳しい現実的問題もいくつかありました。 その一つが研究費の問題です。公的な研究資金は、あっと言う間に底を尽き、独立して1年で研究資金不足に陥り途方に暮れていました。 そんな時に、まさに蜘蛛の糸とも言えるアステラス病態代謝研究会研究助成金の採択の知らせを受け、九死に一生を得ました。 本助成金は、研究者が高いレベルで研究を遂行していくために欠かせない研究資金であるとともに、我々をエンカレッジしてくれる制度でもあると思います。 アステラス病態代謝研究会研究助成金受賞者の名に恥じぬような研究を展開したいと思っております。
この度は伝統ある貴財団の研究助成を賜り、大変光栄に思うとともに身が引き締まる思いです。 今回私は2度目の受賞となりました。平成22年度の申請の際、「あと1~2年で独立研究室を持つこと」を目標として掲げていました。 前助成金により、オリジナルな研究データを蓄積することができ、その研究成果が認められ平成24年6月より小さいながらも研究室を持つことができました。 研究室のセットアップなどが思うように進まず途方に暮れているときに、貴財団からの採択通知を受け取りました。 この封書を受け取った時の感激は忘れることができません。本研究助成により得られた成果が、いつの日か人々の生活に還元できるよう、 日々研究に精進したいと考えております。
この度は貴財団の研究助成に採択して頂き、深く感謝致します。 高齢化に伴いアルツハイマー病患者の急増が社会的な問題となっています。 私はアルツハイマー病の発症機構および診断マーカーに関する研究を行うことを通じて、発症初期段階における早期診断法と根本的治療法の開発に貢献することを 目指しております。貴財団の方針として女性研究者への支援を増やすことが明記されていますが、 私も一女性研究者として貴財団の研究助成に採択していただけた名誉に恥じないような成果を出し、少しでも社会のために役立つ研究を進めて行きたいと考えおります。
この度は伝統ある貴財団の平成24年度研究助成を賜り、大変光栄に存じます。 また、貴財団の関係各位ならびに選考委員会の諸先生方にこの場をお借りして心より感謝申し上げます。 高い競争率かつ大変厳しい審査が行われる貴財団から私どもの研究課題を高く評価していただきましたことは大変大きな励みとなりました。 また、児玉理事長の心温まるお手紙には大変感動致しました。現在、私どもは多発性硬化症の病態解明と神経再生を目指した治療法の開発を行っております。 私どもが在籍している地方単科大学では独創性のある研究を展開していかなければ成果を残すことがなかなか難しいのですが、 貴財団からいだたきました助成金によるサポートにより、おかげさまで独創的かつ興味深い知見を得ることが出来ております。 今後はさらに研究を発展させ、この貴重な研究助成を通して得られた成果が多発性硬化症治療法の開発に役立ち、社会貢献という形で貴財団への恩返しができるよう、 日々精進して参りたいと考えております。今後ともご指導賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
この度は平成24年度研究助成対象者に選んでいただきまして、ありがとうございます。 私たちの研究室では、コロナウイルスを中心に様々な急性呼吸器ウイルスの細胞侵入メカニズムの研究を行なっております。 折しも最近、中東で新型コロナウイルスによる肺炎患者の発生が次々と報告され、現在(2013年2月28日)までに13人の感染者と7人の死亡が確認されております。 私たちは今、このウイルスが世界中に感染拡大するか否かを、固唾を飲んで見守っています。 急性呼吸器ウイルスに対する特異的な抗ウイルス薬はインフルエンザのみで開発されており、他の膨大な種類のウイルスでは重症化しても対症療法に頼ることしかできません。 今回の助成研究では、呼吸器ウイルスの感染防御や抗ウイルス薬の開発に繋がる研究を行いたいと思います。
我々の開発した新しい手術が、貴財団助成のテーマである「疾患の解明と画期的治療法の開発に関する研究」に正に合致すると思い、応募させていただきました。 我々の臨床研究が貴財団の専門家に認められ大変光栄に存じます。 さて、脊椎は肺、肝臓と並び、がん転移の好発部位ですが、がんの脊椎転移は未だに手の施しようのない末期と考えられています。 我々の手術は、脊椎のがん病巣を根治的に全摘出し、さらに、摘出した脊椎を液体窒素で凍結し、がん細胞を死滅させた上で再び患者に戻すものです。 腫瘍凍結免疫によって全身のがん免疫が増強され、手術による脊椎病巣の局所根治と同時に全身的な免疫療法も期待できる正に一石二鳥の画期的手術です。 本研究でこの新しい手術をさらに発展させ、絶望の淵にある脊椎転移がん患者に生きる希望と治療への勇気を与えることができればと思っています。
この度、平成24年度研究助成金に採択いただき、大変光栄に存じます。これまで、培養細胞から実験動物を用い、中枢神経系疾患の病態解明・新薬の開発を行ってきました。 その成果から、「うつ病決定方法及び血中ユビキチン化セロトニントランスポーター分析キット」を特許申請しました。 特許をステップアップさせ、うつ病診断のバイオマーカーの開発へと臨床研究分野への展開を試みています。 今後の研究展開に期待と不安が高まる中、「独創性、先駆性が高い萌芽的研究提案」を支援するという貴財団の助成対象に選ばれたことは、 助成金の獲得以上に自信と励みとなりました。本研究助成により一層研究に精進し、成果を社会に還元いたしたいと思います。
この度は、貴財団の研究助成に採択していただき、心より感謝申し上げます。私は、愛媛大学で新しい研究室を立ち上げたばかりです。 新しい研究室でこれからスタートするテーマが本研究助成に採択されたことは、経済的な面だけではなく、精神的側面においても大きな支援となりました。 また、私は大学院卒業後、アステラス製薬の前身である藤沢薬品工業に約7年間勤務し、多くのことを学ばせていただきました。 そして、今、再び研究者として成長する機会を貴財団より賜ったことも大きな励みになっています。 今後は、本助成によるご支援を最大限に活用し、社会に少しでも還元できる成果をあげるべく頑張って研究を推進したいと思っています。
2012年度海外留学補助金受領者(所属は交付時。敬称略・五十音順)
医師になって15年目になるため、海外留学助成は年齢制限のためあきらめかけておりましたが、 この度、貴財団の海外留学補助金をいただき大変光栄かつ幸運に恵まれたと感謝しています。 様々な方々のサポートで、現在、カナダのオンタリオ州、オタワにある、 University of Ottawa Heart Institute (UOHI)にて、clinical fellowとして働かせていただいています。 研究だけでなく臨床の仕事も求められるため多忙ですが、充実した留学生活をさせていただいています。 さまざまな国籍、バックグランドを持つ仲間と仕事をしていますが、やはり国際的に活躍するカギは実用的な英語力だと痛感しています。 留学生活は楽なことばかりではなく、苦労も尽きませんが、一歩一歩着実に前進し、臨床医、また研究者として実力をつけて帰国できるように全力を尽くしたいと思います。
この度は貴財団の海外留学助成に採択して頂き有り難うございます。 渡米後、コミュニケーションの難しさや環境の違いに 戸惑い自信を無くしていた時に、格段に優れた研究計画とのコメント付きで採択通知を頂いたので、 その時の感動と興奮は今でも忘れられません。 この助成金は、推薦人や過去の実績にとらわれずに今自分が持っている研究に対する明確なビジョンと将来展望に基づいて審査されるということでしたので、 自分にとって 大きな自信になりました。これから応募される皆様にとっても、この助成金に応募することは自分の研究に対する考え方を評価して頂く良い機会だと思います。 頂いた助成金と何よりこの採択通知を励みに良い研究結果を皆様にお伝え出来るよう今後精一杯頑張ってきたいと思います。 この度は本当に有難うございました。
学位取得後の海外研究留学を目指している中で、貴財団の助成内定の吉報を頂戴した時には言葉では言い表せない喜びがあふれ、 それと同時に研究留学への責任を感じ、もう一度気を引き締め直した事を覚えています。 研究留学を希望する私に、明日への希望の光を照らしていただいた貴財団には感謝の気持ちでいっぱいです。この場を借りて、心より深謝致します。 今後、生活費を支援していただける事への感謝の気持ちを忘れずに研究に励み、多くの事を吸収し、社会に還元できるように邁進する所存です。
この度は貴財団より留学補助金をいただき、心より感謝申し上げます。 昨年7月よりオーストリアのIMBAにて研究を開始し、半年が経ちました。 私は研究者を目指すことを決めた時から、「必ず留学する」と心に決めて参りました。 今それが現実のものとなりましたが、家族を抱えて海外で生活するということに経済的な不安もありました。 しかしながら、このように留学を後押ししていただくことにより、思う存分、研究に集中することができています。 研究に専念できる環境に身を置けることの幸せを噛み締めつつ、この地で得た経験、技術、研究成果を社会に還元できるよう、日々研究活動に精進していきたいと思います。
この度、貴財団の海外留学補助金に採択していただきましたこと、心より感謝申し上げます。 誠に光栄であり、誇りに感じるとともに、頂いた機会を存分に活かすべく、身の引き締まる思いです。 私は平成24年9月から、Salk研究所(カリフォルニア州)にて、研究に励んでおります。申請から交付決定までが迅速で、 留学を先に開始していても応募できるところが、貴財団の留学補助金の素晴らしいところであります。 最後に、このような機会を頂きまして、選考委員の先生方、アステラス病態代謝研究会の事務局の皆様に、改めて深謝いたします。
この度は貴財団の海外留学助成に採択いただき大変感謝しております。 私は消化器内科医として炎症性腸疾患の診療を行う中で、既存の治療では本疾患の根治は不可能であると痛感し、研究を開始しました。 留学先の研究室は2光子共焦点顕微鏡を用いたin vivo live-imagingの先駆け的研究室であると同時に、免疫学における世界最高レベルの研究室です。 私は今回の留学によって世界最高水準の基礎医学的学術、技能の会得し、表面的な解析に終始する臨床研究ではなく、 根本的な生理的メカニズムに迫る独創的かつ画期的な臨床研究スタイルの確立を目指したいと思います。 そして今回の受賞を励みに、将来患者さんおよび社会に還元されうる"クリニカルサイエンス"の実現めざし、より一層研究に励みたいと思います。
この度は平成24年度海外留学補助金に御採択いただき、ありがとうございました。 医師として臨床に携わった経験から、現代医学の礎となっていることの多くは過去の輝かしい基礎医学/薬学研究の賜物であるであることを強く実感しました。 また同時に、病態不明の疾患や根治治療法のない疾患がいかに多いかということも痛感しました。 これらを解決できるのは基礎研究からのBreakthroughであると信じ、これに少しでも貢献したいという想いから、 同じ目標に向かって日々研究に励む現在の恩師と仲間達のいるイタリア・パドヴァ大学まではるばるやってきました。 異国の地で研究に没頭できる環境を得られたのは、私の背中を押してくださった日本の恩師や家族、友人達、そして何より 貴財団による御支援のおかげであると深く感謝いたしております。
貴財団から海外留学補助金を頂き、大変光栄に思います。 貴財団の評価視点である「現在までにどのような実績をあげているかだけが重要ではなく、 明確なビジョンを持って、 世界レベルの学問・技術を学ぶことに貪欲に取り組もうとしているかどうかを評価する」ことに共鳴し、応募致しました。 私は博士課程での研究を基に、細胞運動の分野における最大のテーマに挑戦し、自分のニッチを築きたく留学を決心致しましたが、 この度貴財団に採択して頂けたことで大きな励みになり心より感謝申し上げます。 University of Wisconsin-Madison で新たな技術と知識を融合し、世界レベルでも通じる研究者を目指し努力したいと思います。
伊東史子
東京薬科大学 生命科学部 心血管医科学研究室
栄誉ある貴財団の研究助成に採択いただき、ありがとうございました。 私は平成23年、マウスとともに現職に移動しました。なんとか研究が動き出した段階でご支援いただくことができ、心から感謝しております。 貴財団のサポートにより今後さらに研究を発展させることができます。マウスを用いた研究は時間と費用がかかることが難点ですが、 生体でしか得られない結果があります。申請書にはそのマウスを使った本当にやりたい研究を書きましたが、 その申請書が評価され採択されたことは大きな励みと自信になりました。これからも、私にしかできない研究を推進し、貴財団の評価に値するような仕事をしてまいります。