私たちはこれから発展していこうとする研究者の方々を応援したいと考えております。
私は30代半ばでドイツにポスドクとして留学しました。博士をとったばかりで、研究者としてはいささか未熟でしたが、日々の実験を通じて研究者として成長していく充実した日々を送っていました。その間、新しい研究テーマについて想像をめぐらし、徐々に自らの裁量で研究を進めていきたいと考えるようになりました。帰国後に所属した研究室では、運良くサブリーダーの役割を与えられ、大学院生とともに自身の研究を自由に進めていくことができました。自立を目指す研究者にとって、力を蓄えた適切な時期に独自の研究を行うための場所と資金を与えられることは、素晴らしいチャンスです。私自身が研究室を運営する立場になり20年が経とうとしていますが、研究員や大学院生が自ら思い描いた仮説を実験によって検証し、将来に花開く研究を行ってほしいと願いながら、研究室の環境を整備してきました。その経験を通じて、一人ひとりの研究者の思いを大切にし、バックアップすることの重要性を確信しています。
財団からの案内には以下の文言がありますが、財団関係者で共有する思いです。
特に応援したい研究者は、「個人型研究を新たに提案する研究者」、「女性研究者」、「教室を立ち上げたばかりの研究者」、「留学から戻られたばかりの研究者」、「ライフイベント(出産、育児、介護)と研究を両立させている研究者」です。
上記に限らず、挑戦してみたい研究テーマを持っておられる研究者をサポートしていきます。申請者の方々の研究に対する思いを申請書に綴ってください。本財団の取り組みが、研究者の方々のお役に立てればと願っております。